胎動(仮)

                          「原案」
                           杉本  
                           清水
                           たかし 
                           荘
                           北澤
                          「シナリオ」
                           北澤 

【登場人物】
ミコト(年齢不詳)・・・日本人女性に擬態している宇宙人
サナ(年齢不詳)・・・日本人女性に擬態している宇宙人
小田島シンジ(30)・・・自主映画監督の青年
金井雄二(30)・・・小田島の友人 
君島聡子(30)・・・カメラウーマン(秘密警察)

小田島浩二(65)・・・小田島の父(思想集団Zの創出者)
香川俊夫(50)・・・創出の会党首(元思想集団Z)秘密警察の幹部

中山和明(50)・・・友の党党首(元思想集団Z)。
村瀬公生(60)・・・友の党議員(畑中の先輩)
畑中宏治(35)・・・友の党議員(村瀬の後輩)

輝男(30位)・・・(宇宙人)映画の役者に応募してくる
木暮早苗(20代)・・・映画の役者に応募してくる 経験者
堂島良(20代)・・・映画の役者に応募してくる 未経験

坂本・・・(宇宙人)謎の組織の日本支部の長
功・・・(宇宙人)坂本の右腕
和枝・・・(宇宙人)謎の組織の組員
友子・・・(宇宙人)謎の組織の組員 

笹井春香(25)・・・オーディションに来た女優
佐賀あゆみ(23)・・・春香の友達
君塚徳子(24)・・・春香の友達

0 車の中(夜)
香川が運転席に乗って駐車している。車の前に坂本が現れ車に乗ってくる。
香川「緊急事態か?なるべく会わないほうがいいんじゃないか?」
坂本「実験ロボットが逃げ出した」
香川「……共存どころでなくなるということか」
坂本「ああ、地球そのものがなくなる可能性がある。」
香川「あなたたちのテクノロジーを持ってしても制御できない?」
坂本「予想できない、また進展があったら伝える」
坂本、突然消える。香川受け入れている演技
    
1 小田島の家(夕)
小田島が帰ってくる。
郵便受けを確かめ、一通の封筒を手に取り、まじまじと見つめる
封筒には「警視庁○○警察署 刑事課」の文字

2 小田島の家(夜)
アパートメントの部屋の中、小田島が部屋に入ってきて押入れの中からたくさんの古いダンボールを貪り出す。その中からある一つの箱を取り出す。資料には「思想団体Z」という張り紙が貼ってある。宇宙人に対してのたくさんの資料が入っている。現在の政治家「自由の党」の「中山」、「創出の会」の「香川」の名前も書かれている。その中の1枚の写真に目が止まる。中山と香川と小田島父が仲良く写ってる写真。

ナレーション 俺は15年間軟禁されていた。行動は家の中だけに制限され唯一許されていたのは思想本や古典映画見ることだった。俺はちょくちょく軟禁されていた家の「おじさん」の財布からお金を盗み20歳の時に逃げ出した。町、森、公園、県境の標識…恐怖のあまり、何処をどう逃げたのか、気がついたら児童保護施設に保護されていた。

3 小田島の部屋
小田島、部屋の中で一人佇んでいる。神妙な顔つきで何かを考えている様子。

映画タイトル「胎動」

4 人の気配のない郊外 (夜)
・木々が風で揺れている。電灯がチカチカしている
・水が蛇口から滴り落ちている。其れが段々青い液体人なりだんだんそれが広がっていく。犬が吠える。
・ミコトとサナが突如現れる。しばらくキョロキョロ見渡したあと街の中に消えていく。後に青い水たまりが残る。途中戦争映画を見てエネルギーが高まる。

5 埠頭(夜)
シンジが海を眺めている。車のライトの光が香川を照らす。香川が車を降りてやってくる。
香川「シンジさん?」
シンジが振り向く
香川「初めまして、香川です。」
小田島「小田島シンジです。」
香川 「夜になると冷えてきましたねー」
小田島「ええ」
香川、小田島をちらりと見て
香川「似てるなーやはり血は争えないか。眉間のあたりなんかそっくりだ。」
小田島「……あなたが手紙を送ってくれた方ですか?」
香川 「まあ」
小田島「今更親父のことでとやかく言われても。せっかく忘れかけたところだったのに」
香川 「俺もコンタクト取る気は無かった。つい最近までは」
小田島「じゃあなぜ?」
香川 「そういう事態になってしまった、というのがふさわしい言葉かな?」
小田島「?」
香川 「お父さんの資料は残ってました?」
小田島「思想団体Z?」
香川 「ええ」
小田島「肝心なところは残ってませんでした。断片的にしか。あなたの写真も出てきましたよ。活動を共にしてたんですか?」
香川 「まあ。」
小田島「一体何がどうなってるのか、さっぱり、軟禁された思い出しか残ってないんです」
香川 「軟禁じゃないんだよ。お父さんは守ったんだよ。あなたを」
小田島「守った?」
香川「お父さんはある重大な事を知ってしまってね。そのことからあなたを守ろうとしてた。そしてそれを国民に公表しようとして捕まってしまった。多分一生刑務所の中でしょう。詳しいことはお父さんに合えばわかります。私と一緒に刑務所に会いに行けばわかります。来週の金曜日、ここで待ってます。」
香川は小田島に手紙を渡して車に乗って去る。一人たたずむ小田島。

6 面会室
香川が浩二と面会室の窓を隔てて座っている。
香川「時間がないから要点だけ言う。シンジは来ない」
浩二「……そうか。」
香川 「中山が権威と力をつけてどんどん大きくなってきている。そして奴らの研究所からあいつらが逃げ出した。言うなら今だぞ、お前が、俺達がやってきたことを」

○小田島の家
小田島がお菓子を持って階段を降りてくる

同 面会室
浩二の顔が歪む
香川「俺が言ってもいい。」
浩二 「……シンジが自分で判断すればいい」

○小田島の家
小田島が金子と映画を見ている

同 面会室
香川 「いいのか?それで?」
 浩二 頷く。
香川 「わかった」
出て行こうとする香川
浩二「一言だけ伝えといてくれ」
香川振り返る
浩二「見たいものだけを見るな、と」
香川「ああ」
香川、その場をさる

7 壇上
中山の顔だけ浮かび上がっている。中山が壇上で演説をしている。
中山 「世界を見渡して見て下さい。未だ嘗て戦争や争いが地球上で途切れたことがあったでしょうか?核の脅威にも常にさらされています。戦争や争いは人類にとって必要悪だと考えます。人類は争いをせざるを得ない人種なのです。
香川が不満そうな顔で見ている
 この激動の世界を日本はどのように生き残っていけば良いのでしょうか?世界が緊急事態の今、日本だけ鎖国のような武器小国ではいけない。自国を守り、諸外国の危機に積極的に関与しなければ日本は世界の流れから取り残されてしまいます!
 いつの時代も戦争は文明を推し進めてきました。それは科学文明を推し進める唯一の方法であります!
 自衛力を強化して科学文明に寄与する道こそ日本が進むべき唯一の道ではないでしょうか!」
壇上から降りる中山、一瞬香川とすれ違うがめは合わせない

8 自由の会の会議室 (朝)
畑中が週刊誌を読んでいる。村瀬がお菓子を食べている。
畑中 「中山さんの演説、さすがでしたね。」
村瀬 「あれくらいやってくれないとな。」
とまたお菓子をおいしそうに食べ銘柄を確認している。とそこに中山が口笛を吹き新聞を片手に入ってくる。
中山 「グッッドモーニングエブリワン?」
畑中、苦笑いして
畑中 「丁度今中山さんの噂話をしていたんですよ。」
中山 「どうせ悪口っしょ」
ニヤニヤしながら
村瀬 「演説だよ」
中山 「ああ、今の時代なあなあに言ってもね、支持してもらえないし。はっきり主張しないと。力と権威をつけたものが勝つ世のなかでしょ。力だよ力。そのお菓子美味しそうですね」
中山、村瀬のお菓子を欲しがる
畑中 「順調にきてますね、ここまでは。」
中山 「未だ未だ油断出来ないぞ。」
村瀬 「対抗勢力は……」
中山 「創出の会」
畑中 「香川のところですか?」
村瀬、お菓子に手を出し
村瀬 「毎度毎度面倒なやっちゃなー」
畑中 「周辺あらいますか?」
中山、週刊誌をチラッと見て
中山 「女性関係……女関係……洗っといてくれ、特に売春がらみ、不倫がらみを重点にな。リーク出来そうなところを徹底的に。」
畑中「はい」

9 高級料亭の一室 (夜)バー
和枝が席についてお化粧を直している。そこに中山が入って来る。
中山 「よお」
中山の様子を暫く観て
和枝 「元気そうじゃない。」
中山「まあね」
和枝、食事に箸をつける
和枝 「なんだか楽しそうじゃない。面白い動きがいろいろあった?」
中山 「ああ」
中山、しばし肉を切り美味しそうに食べている
中山 「国防の改正法案は通るなー。軍事予算も、、上がってきてる。あんた達に言わせたら子供のおもちゃだろ」
和枝 「はは。でも頑張ってるわよ、地球防衛軍も(笑)」
中山 「余裕だなー、宇宙人に言わせれば何をやってるんだか?か」
和枝「今となっては宇宙人も地球人も同類。なんとかしないとこっちの身も危ないわ」
和枝、中山に酒を注ぐ。二人食事を続けている。か中山、和枝に近づき
中山 「今日はなんだ?お前から呼び出すなんて滅多にないからな」
和枝 「AH-78,AH-81の存在は知ってるわよね」
中山 「お前達が独自に進めていた開発兵器だろ。」
和枝 「ええ。」
中山 「それがどうした?」
和枝 「逃げ出したわ」
一瞬、箸を止めて
中山 「逃げ出すとどうなる?」
和枝 「わからないわ、ただまだ外部の接触に慣れてないから戸惑うと思うけど……秘めてる力はものすごいわ」
中山 「お前達がすごいって言うなら」
和枝 「地球なんか一瞬で消す能力を秘めてる」
中山、 食事を中断して黙り込む。
中山 「どこにいる?」
和枝 「わからない。協力して。」
和枝、中山の手を握る
中山はおもむろに和枝の手を握りかえす。和枝は中山を見返す
中山「久しぶりに」
和枝「懲りない人ね」
中山「だからこの地位にいる」

10 繁華街(夜)
腕を組んで歩きながらホテルに入っていく2人。

11 倉庫
何もない倉庫。

12 倉庫
青白い光が場内に差し込む。坂本が椅子に座って壁を見ている。ノイズ映像が壁に反射する。イライラしている。水晶玉をこねくり回している。そこに功が入ってくる。
坂本 「奴らは見つかったか?」
功  「いいえ。」
和枝が入ってくる
和枝「いっそ彼らに地球を滅ぼしてもらって再構築すればいいんじゃない?」
友子が入ってくる
友子「勝手なこと言わないで」
功「同胞もいるだろ」
和枝「まあ滅ぼさずとも自滅するけどね」
坂本 「愚かだな、人間という人種は」
功  「欲望ですよ」
坂本 「欲望……か。人間に特有な現象だ」
坂本みんなを見る。青い水晶玉を持っている。手の中で転がしている。
坂本 「我々の予想を遥かに超えていく。自分たちの住んでる場所を破壊してしかも同じ種族で殺し合う。」
功  「ふふ、」
和枝 「国防の改正案も通る見込みよ」
功  「まあ。なるよね」
友子 「それ、どこの情報?」
和枝 「ある筋の情報よ」
友子 「ふーん」
和枝、椅子に座る。
和枝 「いいんじゃない、もう?淘汰されるものはされて。人類なんて、ねー」
友子、和枝を睨みつける。
坂本 「何れにしても奴等をまず回収するぞ」
一同意を決したようにそれぞれの場所に立つ。壁には(ザーとした画面)が写っている。一度目をつむってAH-78,AH-81の行方を探っている。それぞれがそれぞれの場所に立って目を瞑っている。
坂本 「見えたか」
功  「かすかに」
友子 「東京の北東?」
功 「戦争映画に反応してエネルギーが高まってる。」
和枝 「まずいわ」
坂本 「まだ実験中だからな、どれくらいのパワーがるのかはかりしれる。」
友子 「飽和点を超えたらどうなるか?」
坂本「その前に抑えるぞ」
一同を見渡す
和枝 「私が行くわ」
功  「私も行きます」

13 体育館 (昼) 「このシーんは細かくは現場で役者さんと一緒に作っていく。youtubeiveなどのライブ放送も考えています」
ライブフィルム撮影現場(リハーサル)。小田島シンジ、輝男、木暮早苗、堂島良、君島聡子が集まっている。君島は外で電話をしている。金井が外でタバコを吸っている。ミコトとサナがフラフラ入ってくる。
金井 「おはようございます」
ミコトとサナは無視して通り過ぎる。金井と君島は不審そうに顔を見合わせる。ミコトとサナは中に入って行く。
シンジ「遅い!」
ミコトとサナいにかんせず椅子を出してきて座る。
金井 「はい、それではライブフィルムのリハーサルを始めたいと思います。それでは各々自己紹介を軽くお願いします、」
小暮 「小暮早苗です。お芝居は劇団で始めました。今はフリーの役者で事務所に入って活動しています。よろしくお願いします。」
堂島 「堂島良です。芝居の経験はありませんが小田島さんの作品をネットで見て興味をもちオーディションに参加しました。よろしくお願いします。」
輝男 「輝男です。一応芝居はやってました。よろしくです」
ミコトとサナ、うろうろしてたが立ち止まって
ミコト「ミコトです」
サナ 「サナです」
金井 「それだけ?」
ミコトとサナ、無視してキョロキョロしている。君島ミコトとサナをチラ見してメモを取っている。
君島 「カメラの君島です。よろしくお願いします。」
金井 「助監督の金井です。よろしくお願いします」
小田島「はい!監督の小田島です。時間がないからぱっぱと行くよ!自分の映画でやりたいのは戦争と暴力です。戦争と暴力はなぜ地球に存在しているのか?なくならないのか?なくならないのならなぜ存在しているのか?この映画で皆さんと一緒に考えて行きたいと思ってます。」
小田島「はい、じゃまずこれ見て」
工場の出口をみんなで見る。
小田島「何が見えた?何が見えて何が見えない?」
一同 「……」
小田島「当てないよ!自分から踏み出して!人生と同じやから。自分から踏み出さないと誰も助けてくれない!」
堂島手をあげる。
小田島「手はあげなくていい!学校じゃないんだから、堂島、何?」
堂島 「人が見えました。(間) 人が動いてます。」
小田島「他に」
小暮 「えーと、馬も動いてます」
小田島「他には」
輝男 「これは全部演出されてます。馬、馬車、人、出てくるタイミング。
そして固定カメラですね。カメラのポジションもちゃんと考えられています。」
一同輝男を凝視
小田島「これは最初の映画と言われてるね。ここは正解探しをするところじゃないからね。なぜこれが世界最初の映画って言われてるのかみんな考えて見て」
ミコトとサナ、キョロキョロしている。
堂島 「あのーすいません。いつ撮影するんですか?っていうかこれリハーサル?」
小田島「もうやってるよ。何か不満?」
堂島 「こんなことやって意味あるのかなーって」
小田島「君はまだ未経験だったよね」
堂島「ええ」
小田島「なんでそもそも意味があるかないかわかるの?好奇心はないの?」堂島「未経験でも大体どういうことをやるかは想像つきますけど」
小暮「まあまあまあいいじゃない。監督がこういってるんだから。」
小田島「はい、じゃあ次、演劇と映画の違いは何?」
小暮「はいはい!」
小田島「はい、は一回でいいんだよ!」
小暮 「舞台か映像かの違いです」
堂島 「舞台はお金にならないって聞いたな。映像はお金になるからみんな映像の方に行くんだって」
小暮 「映像だってたかが知れてるわよ!予算が出る映画なんか出演のチャンスすらないんだから、いわゆる出来レース。ってそれ誰情報?」
堂島 「いや、誰っていうかそう言われてるというだけで」
小暮 「適当なこと言わないでよ、そんな皆んなが言ってるから、なんて」
輝男 「カメラがあるかないか。」
堂島と小暮、一斉に輝男を見る。
輝男 「演劇と映画の違いはカメラがあるかないか。です。」
堂島 「テレビだってカメラ使うよ。そうするとテレビと映画の違いは何かになるよね。」
小暮 「テレビはタダで見れます。映画はお金を払って見ます」
小田島「これも正解ないよ、みんな各人で考えて、考えることが大事だ。それが力になる」
小田島「じゃあ次」
金井 「あっちょっと、小田島、飛ばしすぎじゃん?ちょっと休憩いれようぜ」
小田島、みんなを見て
小田島「みんな疲れた?」
一同 「……」
小田島「しょうがないな、はい、じゃちょっと休憩」
金井、小田島に水を差し出し
金井「ちょっとガツガツやりすぎじゃないか?」
小田島「そうかな」
金井「そんなガツガツやってもみんなついてこないぞ、」
小田島「ああ、ついなんか力入っちゃってさあー映画のこととなると」
金井 「わかるけどな、ところでミコトとサナ大丈夫か?なんか変だけど」
小田島「ああ」
金井「何にもしャベラないし、なんかキョロキョロしてるし」
小田島「ああ。でも大丈夫だろ、そのうち本気を出すと思うよ」
各々休憩している。君島は相変わらずミコトとサナをチラ見してメモを取っている。
14 体育館(外)
君島が外に出てくる。香川に電話をかける。
君島 「君島です。」
香川「どうだ、ミコトとサナの動きは」
君島 「はい、今の所大きな動きは。落ち着かない感じはありますけど。」
香川「油断するな」
君島「はい、引き続き監視します」
君島中オーディション会場の中に入っていく
15 体育館
小田島「次テキストやるよー。西部戦線異常なし」
金井、テキストを配る、
小田島「読んでいこうか」
端から順番に読んでいく。ミコトとサナのところに行くと詰まるのでスキップして他の人が読む

「テキスト1」西部戦線異常なし
『諸君我々がなすべきことがある 
全力を尽くし総力を上げて今年中に勝利を手に入れるのだ。こんなことはもうこれ以上言いたくない。若い諸君はわが祖国の生命だ。職員はドイツの鉄の民だ。輝かしい英雄だ。召集に応じて敵を討つのだ。将軍を立ち上がらせて戦場に送るのは私の訳ではない。だが諸君はどう考えているんだ。ある学校であったことだ 。生徒たちが教室で立ち上がって大挙応召(たいきょおうしょう)した 。そんなことがここで起これば私は諸君を大いにほこりに思う。』

小田島「みんな、この映画、見た?」
一同「……」
小田島「これはどう言う状況?」
小暮 「確か先生が生徒を戦地に送り出す演説?」
小田島「なぜ彼はこのセリフを言ってるの?」
堂島 「力説してるな、力入りすぎじゃない?」
輝男 「戦争中の緊迫した感じがよく出ています。先生の生徒に向けての言葉かな」
ミコト「戦争?」
サナ「映画?」
小田島「何かある?」
ミコトとサナは黙っている。だんだん気配が違ってくる。だんだん落ち着かなくなってくる
小田島「はい、また西部戦線異常なしからテキストの抜粋だよ」
金井、テキストを配る。

「テキスト2」西部戦線異常なし」
『先生「ちょうど良いところへ戻ってきた。私が今話したように 最初に出て行った一人だ。 私の目の前に腰を掛けていたが 戦争が始まった年に志願したのだ 。ドイツを戦場で無敵にした鉄の若者の一人だ。
見たまえ 逞しく目が輝いている 。しょくんの誰もが羨望する軍人だ。 話してくれ 祖国に尽くすことの意義をだ。」  
ポール「何も言えません」
先生「一言でもいい 祖国が彼らを求めていることを。君がなぜ志願したか。」
ポール「何も言えません。」
先生「 君は勇敢に戦っただろう。その経緯を話してくれ 」
ポール「何も話すことはない。我々は壕で暮らして殺されまいと努めている。  時には殺される。それだけだ。」
先生「違うだろーポール。」
ポール「これが事実です。」
先生「だがそれが戦争ではない」』

小田島「誰か読んで見て?」
輝男、堂島「はい!」
輝男と堂島がテキストを読み始める。
ミコトとサナ戦争と言う言葉に反応して益々興奮してくる。
小田島「はい、これはどう言う状況?」
小暮 「最後の方のシーン?」
輝男「最初のシーンとの対比?」
小田島「状況が今度変わったよね、ポールは実際に戦場に行って来た、明らかに行く前と彼自身の状態は変わったよね。変わってないのは?」
一同「……」
小田島「先生と生徒だよね。そうすると演じる側とすればその違いを見せなければいけないわけだ。全てが違うよね。どんな体の変化がある?どんな声?どんな状態?前とどう違う?」
堂島「なんだか面倒くさいな。そんなことよりその場を感じてやって見ればいいんじゃない?」
小田島「じゃあやって見て。そう思うんだったら堂島やって見て」
堂島出てこない。気まずい雰囲気。ミコトとサナますますうろうろする。

小田島「じゃあ次、戦争シーンを研究するよ、参考にこれ見て、」
金子がシーンをスタンバイして映像を流す。西部戦線異常なしの戦闘シーンを見せる、
小田島「じゃあまず油断する輝男を堂島が後ろから襲うのをやってみようか

輝男を堂島が後ろから襲うが輝男が避ける、避けたところ机とぶつかる。
堂島「大丈夫?」
輝男「ああ、大丈夫大丈」
傷口から青い血が流れる。
輝男。みんなに見えないようにさっと隠す。それを目撃したミコトとサナがさらにうろうろし始める。
小田島「なんだ、演じたくなってた?じゃあミコトとサナやってみようか?」
ミコトとサナが突然堂島を後ろから襲う。ひきづって外に出す。
小田島「なんだ?まだだよ!」
一同、ミコトとサナを追って外にでる。倒れている堂島。君島が真っ先に駆けつけ脈をとる。
君島 「はじまった」
小田島訝しげに君島を見る。小田島、金井、堂島、小暮、が佇む。
16 体育館(外)
和枝と功が突然現れる。倒れている輝男を見て
和枝・功「遅かったか……」
和枝と功はミコトとサナを追う。

17 居酒屋
はるかが居酒屋で友人達と話をしている。
はるか 「いや、それでね、やる気満々で行ったわけ。そしたら、なんか変に偉そうなわけ。偉くもないのに勘違い人間いるじゃん?」
あゆみ 「あーいるいる?そう言う勘違いバカ!」
徳子 「世界がせまいのー。もっと認められてから言えっつうの」
あゆみ 「ねーそもそもその監督自主映画しかとったことないんでしょ?」
はるか 「そうみたいよ。でも俺はすごいことやってるんだ的な感じ満々!それで映画とかよく見るの?的なこと聞かれたから。ハッタリかましたわけ。もちろん週に2、3回はみます。的な、ね。」
あゆみ 「やるね、それでそれで?」
はるか「やばいことに日本映画とかよく見ますか?とツッコミ入れられちゃって……」
ミコトとサナが突然現れる。皆んなは気づかない。みんなの話をジーと聞いている。
徳子 「それで?」
はるか「もちろん、よく見ます、的な。そしたらしつこくオズも見ますかっていうから。行ってやったわよ。オズの魔法使いのことですか?て。」
あゆみ「やったやん!」
はるか「そしたらなんか渋い顔されちゃって〜」
徳子「えーなんでーオズの魔法使い、おもしろいじゃない。」
あゆみ「ねー」
はるかがトイレに立つ、全員、右を見て上を見る。みんなが倒れている脇をミコトとサナがおおり抜ける。はるかトイレから帰って来て惨状を見て佇む。
18 道場 (昼)
はるかが殺陣の稽古をみんなとしている。ミコトサナが突然現れる。一人を吹き飛ばす。その後みんな吹き飛ばされた後、、ミコトとサナは佇む。ミコトは一言呟く、目から青い涙。
ミコト「戦争……」